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のんびり船旅

船での移動は電車やバス、飛行機に比べて「時間がかかる」というイメージが強いです。ですが、船という乗り物は海に囲まれた日本ならではの乗り物です。古来私たちは「海運」によってもこの経済を発展させてきた歴史があるのです。

日本は国土のすべてが地続きというわけではありません。私たちの国は、一部の地域は海で隔てられたものなのです。それは地図で見れば少しの距離に感じるかもしれませんが、実際に目の当たりにすると長大なものです。昔はそのような海で隔てられた場所を行き来するためには船が必要不可欠でした。一般的にそのような場所、土地は、独自の文化を形成していることが多かったのです。

歴史を遡ると日本の中心が京都であった頃から、それらの地域は言葉が通じる同じ民族が暮らす場所として認識されてはいました。ただ、「国」という言葉の定義が「地域」と同義であった時代には、それらの地域に暮らす人々は中央のことなど想像もできず、さらには中央で政治を司る人々もまた、それらの地域に対しては深い見識などはなかったのです。特に北海道、沖縄などはそれが顕著でした。それらの地域のことを知るためには、まずはそこに「行く」ということが必要でした。そこで、私たちの祖先は「船で航行」する技術を磨いたのです。

それ以来、日本という国にとって、日本人にとって、「船」はもっとも馴れ親しんだ乗り物になりました。電車やバスなどの機会化された交通機関を開発しても、船での移動は同様に発展していったのです。

現在では飛行機を使えば短時間で一気に移動することもできます。ですが、時間があるときなどにはのんびりと船で移動するのも悪くないのではないでしょうか。船で移動する際は四方が海です。何も遮るもののない、人間からは計り知れないほど広い海の上に浮かぶ船、その船で移動するのは、とても心が穏やかになります。時間が許すのであれば、たまには船での移動もいいのではないでしょうか。

そして、そのような船での移動の際に気をつけたいのは「船酔い」です。地面からは離れ、水に浮かんでいる状態が長い間続くので、そのような乗り物酔いに弱い人は弱いのです。最近ではあまり「船に乗る」ということ自体、廃れてしまっていますから、自分が船に弱いのかどうか、わからないという人も多いのではないでしょうか。なんとなく船に乗ってみたものの、酔いがひどいという方もおられるようです。

そのようなことさえクリアできれば、船での旅は快適そのものです。ずっと移動し続ける船での旅は、その移動速度に比べて到着までの時間もあまりかからないもので、のんびり過ごしていたらもう到着してしまったということも多いものです。船は気候に左右されやすい乗り物ではありますが、穏やかな日であればとても快適に旅をすることができます。「移動を楽しむ」という旅行もあります。飛行機などに乗ってしまうと味気ない、ということだってあるでしょう。

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